2016年12月22日木曜日

今年,2016年の自然科学部門ノーベル賞の受賞は東工大教授の大隅良典氏が受賞し、12月10日にストックホルムで授賞式が行われた。大隅さんは他の人が全く注目していなかった分野を一人で開拓した人で、そのおかげで誰とも競争する事が無かった、とインタビューで話していました。温厚そうな丸みの有る人で競争社会の外で仕事した人、とても良いな、と思います。
大隅氏の革新的な研究は、長年の生物学における謎を解き、私たちの細胞がいかに構成要素を再利用し、病気と闘っているのか、その仕組みを明らかにした。一連の優れた実験で、生物学の新たな分野を開拓した。」
10月4日に東工大で受賞インタビューが行われた時に、2001年から東工大所蔵になっている岡本の作品「風景/ Landscape」2.1x6.9メートルの前でインタビューが行われて、YouTubeに載っています。

で見る事が出来ます。

記録として載せておきます。

2016年12月13日火曜日

岡本陸郎美術館ニュースレター 冬号 2016年

今年,一年を振り返って見ますと、これまで2006年の美術館オープン以来9年間の平和な日々と違って、随分波瀾万丈の1年の日々でした。
4月1日に例年通りに春のオープンをして間もなく、4月16日の午前1時25分にM7.3の熊本、大分地震が発生し、美術館近辺は震度6から4の地震に1時間の間に数回連続して襲われました。
これにより、建物は無事でしたが「動く壁 / Moving Wall」を一部破壊されました。以後7月半ばまで余震がM4からM1程度が毎日多い日は40回を越えて、なかなか収まらず、住民の方達は恐ろしい目に会い、本当に大変でした。余震は2000回近く有ったようです。
7月半ばから余震も収まって来たので、作品「動く壁 / Moving Wall」の対策に取りかかり、日本の地震事情は予想以上に活動性が活発深刻であって、将来も同じ程度の地震は起こるという事を前提に対策をしました。9年間全く無事に動き続けていた「動く壁」の立っている形態が地震には危険なものですので、作品の周囲を高さ81センチ、横幅1、5メートル、長さ3メートルの白い直方体で包む事によって、将来地震が再び有っても,展示が完全に安全であるように、また、この2016年の地震という大自然の巨大な力を記念する「モニュメント」としてこれから展示して行く事になりました。
モニュメントを完成させ、8月1日から、地震後始めてのオープンをしました。幸い、「2016年地震のモニュメント」は迫力が有るという感想がいくつか有りました。
地震に続いて今年は大雨が降り、又、阿蘇中岳の噴火も起こりましたが大事に至らず収まりました。住民の方々はその度に本当に大変な日々でした。また、近くの小国町に殆ど起こった事の無い火事が起こり、美術館の知人の方々も沢山住んでおられて、これも大変でしたが、みなさん人的被害は無かったのは不幸中の幸いでした。

これらの災害が今年は立て続けに起こりました。地震情報や大雨情報、阿蘇噴火情報などをインターネットで見続けた日々でした。

大分県九重町は災害復興の一環として12月から2月一杯、5割引になるプレミアム旅行券を発行し、地域を活性化しようとしています。旅館などの施設は全て完全に復旧していますので、温泉などの旅行に参加をおすすめします。
美術館もプレミアム旅行券企画に参加をしましたが、海抜1000メートルの高原は、はや氷点下の日々が続いて最早冬が到来しています。12月6日をもって、美術館は今年の冬期休館に入りました。例年通り、来年4月1日に春のオープンをします。

今年から、入館者の方々に,感想/review を書いていただき、これをスキャンしてそのままに、美術館ブログに載せる事を始めました。8月1日のオープン以来264人の方達の感想を、日本全国どこでも読む事が出来ます。美術館ブログは、美術館ホームページ www.rikurookamotomuseum.com の最初のページの一番下にあるリンク欄のブログから見る事が出来ます。面白い感想も多いようです。

これ迄の9年間に無かった天災がこの1年に続いて起こり、これだけ集中したので、これから500年くらいは平和な日々が続くであろうという意見も有るようです。それは日本の広い広い心の大自然におまかせして、温泉にでもゆっくり入り、平和な年の瀬から良い新年をお迎え下さい。